今回は男性にもご理解頂きたい、「生理前の女性の症状」です。
それは、「 胸の張り 」です。
胸が張るときには、痛みを感じたり、胸のことが気になったりするものです。
そのような時に胸を触られると、余計に痛いです。
女性は胸が痛くなる症状について理解し、男性は女性の生理について学びましょう。
生理前に胸が痛い原因
胸の張りは、乳房内にある「乳腺」という組織が増殖することで起こります。
乳腺は、母乳の分泌に関わります。
排卵後から生理前の期間は、妊娠・出産に備えて体が変化します。
出産後に母乳を出せるように乳腺が発達します。
そのため、胸の張りを感じやすくなります。
生理と女性ホルモンの関係
女性に生理が毎月起こるのは、「 女性ホルモン 」の影響です。
女性の身体には、様々な種類の女性ホルモンがあります。
この内、生理に関わるのが「黄体ホルモン (プロゲステロン) 」と「卵胞ホルモン (エストロゲン)」です。
この2種類のホルモンが作用することにより、身体に様々な症状が表れます。
黄体ホルモンと卵胞ホルモンの特徴
黄体ホルモンは、排卵された卵子が育つ場所「子宮内膜」に多く分泌されます。
そして、生理が始まる頃になると、徐々に減少します。
卵胞ホルモンは、「生理が終わってから卵子が排卵されるまでの期間」に多く分泌されます。
そして、卵子が排卵された後には徐々に減少していきます。
この2つの女性ホルモンは、生理を発生させるには欠かせないものであり、赤ちゃんを授かる為にも必要不可欠なホルモンです。
ホルモンバランスが崩れると、大変辛い状況になることも予想されます。
生理前の胸の痛みの原因は黄体ホルモン
生理前に胸を触ると、痛みを感じる女性が多いです。
これは、黄体ホルモンの影響だと判断できます。
黄体ホルモンは、生理前になると身体に様々な症状を発生させます。
その1つが、「胸の張り」です。
黄体ホルモンには、「排卵された卵子を育てるための準備」を整える働きがあります。
その働きとして、乳腺を活発に刺激します。
これにより、乳腺内の血管が拡張したり、乳腺組織が増えます。
生理前になると「胸が張っているような感覚がする」と多くの女性が言うのはこのためです。
この状態は、赤ちゃんに母乳をあげる準備だとも言えます。つまり、母乳が出やすい状況へと近づいているのです。
そのため、この時に妊娠をすると、胸の痛みは長い間続く傾向があります。
卵子が着床しない場合は、胸の痛みが治まりがち
卵子が着床しない場合には、黄体ホルモンの働きが活発ではなく、生理が始まる状態です。
その結果、胸の張りへと繋がらず、痛みも治まっていきます。
卵子を育てるのは、赤ちゃんを授かる為であり、生物としての本能です。
そのため、女性には生理があり、生理前になると赤ちゃんを育てる準備をする作用が働きます。
これが、生理の時に症状として表れるのです。
このことは、男性には症状として強く表れにくいので、理解しがたい部分でもあります。
胸の張りや痛みはどんな感覚か?
生理前に胸が張ることが気になり、「もしかしてこれって乳がん?」と不安を感じる女性は少なくありません。
この不安を取り除くためにも、生理前の胸の痛みがどんなものか、理解することから始めましょう。
生理前の胸の張りの特徴をみていきます。
生理前の胸の張りの特徴
胸の張りや痛みを感じる場合、基本的には両胸に同じような症状が表れます。
また、胸の張りや痛みは乳房の全体に感じます。
そのため、「一部分だけ痛い」という可能性は少ないです。
また、生理が始まると、徐々に痛みや張りはなくなります。
先ほど述べた、黄体ホルモンとの関係性です。
ただ、人によっては左右の胸の張り方に違いが出たり、少し胸を触るだけでも強い痛みを感じたりします。
まずは、「自分の痛みの癖」を理解しましょう。
そして、張りや痛みが「いつもと違うな」と感じたら、産婦人科で一度相談してみて下さい。
不安を不安で終わらせずに、自分の身体がどういうものか、自分の身体に何が起こっているのか、しっかりと向き合いましょう。
たとえ痛みの原因が生理前のものによるものだったとしても、恥ずかしいものではありません。
痛みや不安を我慢して、状況が悪化したり、大事へとなってしまったりすることの方が大変です。
「気づいた時にはもう遅い」
それがギャグじゃ済まされへんことって、結構あるで!
— フルマガネちゃんねる (@furumagane) April 3, 2016
「生理前に胸を触ると痛い」原因は生理前だけじゃないかも...
生理前に胸が痛くても、「生理前だから (しょうがない)」と結論を出すのはあまり賢い判断とは言えません。
生理前に胸が張り、左右同じような張りや痛みである場合は、生理と共に解消されていく可能性が高いです。
その場合は、心配する必要が特にありません。
しかし、胸の痛みが病気していることがあるという場合もあります。
下記の症状がみられると、生理前のものとは異なっている可能性が高いです。
ご確認下さい。
- 胸の張り方が左右均等ではない。また、どちらかの胸だけに張りや痛みを感じる
- 胸の張りを強く感じる。また、高熱も出ている
- 胸を触ると大きなしこりがある。しこりを触ると痛みを感じる
- 生理が始まっても胸の張りや痛みがなくならない
- 乳頭から分泌液や血(のようなもの)が出る
- 胸の張りや痛みが我慢できない程強い
これらの中に、当てはまるものがある場合は、我慢せずに産婦人科で相談してみましょう。
生理前の痛みを予防しよう
規則正しい生活を送りましょう
生理前の胸の痛みや張りを予防するために大切なことは、「規則正しい生活を送ること」大切です。
まずは、今の自分の生活習慣と向き合いましょう。
もしも、「朝布団でダラダラしている」「夜更かしをしている」「ストレスがきつい」などの状態であれば、改善する必要があります。
規則正しい生活をすることにより、ホルモン分泌やホルモンバランスが安定します。
これにより、「ホルモンが過剰に分泌されて必要以上に痛みや張りを感じる」ということへの予防が出来ます。
「睡眠の状態を見直したり、ストレスを緩和させたり」ということを行うだけで、ホルモンの分泌量を安定させることが可能です。
これは、生理前の痛みを軽減する方法として、基本になってきます。
「規則正しい生活」は生理前の痛みだけでなく、生活のリズムを作るうえで役に立ちます。
夜は早目に寝ましょう。リラックスして。
遅くまでお酒を飲んだり、携帯を見たりPCを見たりというのは、良質の睡眠の妨げです。
生活にストレスはつきものです。特に現代社会は。
ストレスを感じた時は、自分で溜め込むのではなく、解消させることを心掛けましょう。
デトックスは大切です。気持ちの断捨離をしましょう。
食生活を見直してみましょう
生理前の胸の張りや痛みを軽減させるためには「食生活を見直す」ことも大切です。
胸の張りや痛みは、基本的には乳腺が活発になることで起こります。
脂肪分が多い食事を摂ることで、乳腺が詰まる恐れがあります。
それにより、更に強い張りや痛みへと繋がります。
こうなる前の対策として、食生活を見直してバランスの良い食事を摂ることが大切です。
血液がドロドロになると、血が乳腺を通過する妨げになります。
そのため血液をサラサラな状態にすることが大切です。
血液をサラサラにする作用のある「ビタミン・ミネラル・食物繊維」を積極的に摂取しましょう。
ただし、毎日これらのを摂ることや、毎回食事のことを考えることにストレスを感じる人は、生理前だけでも十分です。
少しの期間だけでもヘルシーな食生活を心掛けましょう。
また、食生活を見直すことで、生理前の痛みや張りに効果があるだけではなく、健康な生活が遅れるようにもなります。
食事は健康を維持するための大切な要素です。
まとめ
胸の痛みには我慢しないことが大切です。
痛いからといって我慢をするのではなく、「何故痛いのか」をしっかりと把握するように努めましょう。
自分の身体に起きていることを分析する、せっかくの機会です。
胸の痛みがなぜ起こっているのか(生理によるものなのか、病気によるものなのか)を分析しましょう。
心配な時には専門の医師に相談することが大切です。
「気付いた時に病気」だと手遅れになる場合があります。
最悪な状況を避けるための準備を日頃から行いましょう。